鎖国的な日本の通信事情のなかで,普通にやってうまくいかないのは当然だが,それでは「ボーダフォン」である必要はない。そのようなダメな国のなかに埋もれないための施策が必要。ドコモになってはダメで,全体を変える動きが求められる。
quote:ボーダフォン社は元NTTドコモ副社長の津田志郎氏を社長兼CEOに任命する人事を発表した。津田氏はドコモの次期社長と云われていた人物。ボーダフォンの取締役会議長は津田氏について,ポジティブな選択だとし,同氏が過去にどのようなことがあったにせよ,我々の候補だったと強調した。
驚いた。一般的な見方をすれば,ドコモを追われた人物がボーダフォンのトップに,という展開。ドコモもボーダフォンも決してすべてがうまくいっているわけではない。というよりも足踏み状態で滞っている。そんななかでのこの人事は,なにやら生臭い感じも。ボーダフォンとしては現状打破のためのカンフル剤的な意味合いも強いのだろうが…。
日本ではいまいちなボーダフォン,というThe Registerの記事がちょっと前にあった。どの国でもおおむね順調ななかで,日本でだけは遅れをとっている。やはりいちばんの理由は会見の言葉にある通り,3Gへの以降が進んでいないことだろう。ドコモもauも世界標準からずれていて,唯一世界標準を誇れるのにいまだにサイトもチラシも店頭も,前時代の端末が並んでいる。標準からずれたままでも無理やりだまして推し進めているドコモのFOMAの方が,まだ順調と云える。きちんと指針を進める,そのための改革が必要だろう。さて,ダリル・グリーンもできなかったそれを,成し遂げられる人物を選んだのか,どうか。
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